マリ帝国( A.D.1230〜A.D.1645)
現在のアフリカのマリ共和国周辺で13~16世紀に栄えたマンディンカ族の帝国。 マンサ・ムーサは,14世紀にトンブクトゥやガオなどの交易都市、さらにサハラ砂漠南縁のウアラータ、岩塩の産地タカザなどの都市を支配下に収め、1324年にはなやかなメッカ巡礼を行なって「黄金の帝国マリ」の名を広めた。
マリ帝国
首都:ニアニ、後にカンガバ
首都はいくつもあったらしく、同一王朝の遷都、王朝の交替や消長を繰返し、どこに首都があったのかは不明である。 14世紀にはジュラあるいはワンガラと呼ばれるマリの交易商人たちが西アフリカ全体に勢力圏を拡大したが,その後は衰退への一途をたどった。ガオの反乱(1400頃)、トゥアレグ族によるウアラータとトンブクトゥの侵略 (1431)などにより,マリ帝国は 1550年に滅亡した。
参考 ブリタニカ国際大百科事典
イスラーム世界の形成と発展
ムラービト朝の侵入以後、西アフリカではイスラーム化が進行し、つづいておこったマリ王国(1240〜1473)はイスラーム教を受容した。王国は14世紀初めに最盛期を迎える。国王マンサ・ムーサは、メッカ巡礼に際して大量の金を奉納し、「黄金の帝国マリ」の名を広めた。15世紀後半、マリ王国を倒して建国したソンガイ王国(1464〜1591)は、ガオに都を定め、西アフリカの隊商都市の大部分を支配し、北アフリカとの交易によって栄えた。