メキシコ革命
メキシコ革命 中央がマデロ大統領(WIKIMEDIA COMMONS)©Public Domain

メキシコ革命


メキシコ革命( A.D.1910〜A.D.1917)

メキシコでおこった民主主義革命。1910年マデロの呼びかけで武装蜂起。ディアス政権を倒しマデロが大統領就任。13年軍部クーデタでマデロ暗殺、革命派が軍部政権を打倒後、立憲派と農民革命派の内戦。17年民主的憲法を制定。

メキシコ革命

1910年にメキシコでおこった民主主義革命。マデロの呼びかけで武装蜂起が始まり、11年にディアス政権が打倒され、マデロが大統領に就任した。土地改革をめぐる対立がおこるなか、13年マデロが軍部クーデタで暗殺されたが、軍部政権も革命派に打倒された。その後革命派のなかで、立憲派のカランサと農民革命派のサパタ・ビリャらの内戦が続いた。15年末にカランサ派が優勢を確立し、17年に土地改革・地下資源の国家管理・労働者の権利保障などを内容とする民主的憲法を制定し、革命は終了した。現在では、カルデナス政権終了の40年までをメキシコ革命とみなす説もある。

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帝国主義とアジアの民族運動

帝国主義と列強の展開

資本主義の変質

植民地や従属地域ではオスマン帝国・インド・中国などで、伝統的・宗教的規範を基礎にする抵抗運動や西欧の技術・体制を導入する革新運度がおこり、列強の搾取に対して民衆も加わって、解放のための民族運動が本格化した。それは辛亥革命やメキシコ革命などとなって現れた。

アメリカ合衆国

1900年から10年代には革新主義と呼ばれる潮流が勢いを増していた。それは都市の中産階級を中心に高まった気運で、州や市の政治腐敗をただし、大企業の不正や横暴を告発し、さらには飲酒や売春といった道徳的退廃を攻撃した。ローズヴェルトはシャーマン反トラスト法(1890)により独占を生みだす大企業のさまざまな行為を禁止し、不当競争を防止するための連邦取引委員会を成立させた。また、関税を引き下げ、労働者・農民の保護立法を制定するなど、国民の中・下層に有利な改革を実行した。外交においては、独裁政治に苦しんでいる地域にすぐれたアメリカ流の民主主義を広めることが合衆国の使命であるとする「宣教師外交」を進めた。ハイチ・ドミニカ・キューバなどカリブ海地域に積極的に海兵隊を派遣し、メキシコ革命にも介入した。1914年パナマ運河が完成すると、合衆国はその管理権を握った

1999年末をもって、運河の管理権はパナマに変換された。

世界分割と列強対立

ラテンアメリカ諸国の従属と抵抗

メキシコでは1860年代フアレス大統領を中心とする自由主義派勢力がモンロー主義を主張するアメリカ合衆国の支援をうけながらフランスのナポレオン3世の干渉を退け、その後も近代化のための改革を推進した。つぎに大統領になったディアス Diaz (任1877〜80, 84〜1911)はフランスのメキシコ干渉戦争で活躍した将軍で、権力を握ると35年間におよぶ独裁政治(1877〜1911)をおこなった。国内政治は安定し外資を導入する環境を積極的に整えた。そのため鉄道網が整備されるなど経済開発が進んだが、鉄道や鉱山・石油の大半を、それに土地を外国資本が所有し、農民層の貧困は続いた。初期的な工業化も進み、労働者は劣悪な労働条件に不満を抱いた。そこで独裁政治への批判が高まり、1910年に地主出身で開明的な自由主義者のマデロ Madero (1873〜1913)、農民運動の指導者サパタ Zapata (1879頃〜1919)らが合衆国のウィルソン大統領の支援の下に革命をおこし、ディアスを追放した。1917年には民主的憲法が定められ、「土地・地下資源・水」を国家管理とすること、勤労者の権利などを定めた。この憲法下で政教分離と教会財産の没収、農地改革と外国資本の国有化などが遂行された(メキシコ革命)。

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