信貴山縁起絵巻
平安時代末期の絵巻物。国宝。『源氏物語絵巻』、『鳥獣人物戯画』、『伴大納言絵詞』と並ぶ四大絵巻物の1つと称される。「信貴山縁起」とも称する。後述のごとく、表題は寺社縁起絵に属するものであるが、内容は高僧絵伝の範疇に入る。
信貴山縁起絵巻
朝護孫子寺が所蔵(原本は奈良国立博物館に寄託されており、当山内の霊宝館では複製を展示)。
成立
この絵巻の成立は、平安時代後期の12世紀頃とされ、『伴大納言絵詞』や『源氏物語絵巻』と同様に、後白河法皇が関与した、という説もある。また、『伴大納言絵詞』と比べ信貴山縁起絵巻の方が、牧歌的で素朴な初発性と自然らしさがあり、時間の経過や動きの表現において多様で実験的なことから、信貴山縁起絵巻の方が先に成立したという意見もある。内容は概要で述べるごとく、信貴山の中興である命蓮を主人公とした霊験譚である。延喜加持の巻で、醍醐天皇の病気を命蓮の加持祈祷の法力で治したという話が語られるが、ほぼ一致する説話が『古本説話集』や『宇治拾遺物語』、『今昔物語』にも収められている。また、『扶桑略記』にも同様の記事が見える。
参考 Wikipedia