甘州ウイグル王国 (?〜1028年)
甘州ウイグル王国は、9世紀から1028年にかけて甘州(現在の中華人民共和国甘粛省張掖市)を中心に、回鶻(ウイグル)の残党によって建てられたオアシス都市国家。中国史書では甘州回鶻と表記される。首都:甘州。
甘州ウイグル王国
内陸アジア世界の変遷
トルコ化とイスラーム化の進展
中央アジアのトルコ化
9世紀半ば、天災とシベリア方面からのキルギスの侵入により、ウイグル遊牧帝国が崩壊すると、帝国を構成していたトルコ系民族は、モンゴル高原から中央アジアのオアシス地帯へと大移動を開始した。
彼らのうち甘粛回廊へ落ち着いた集団は、甘州を中心に「甘州ウイグル」と呼ばれる勢力を形成し、天山山脈東部に移った集団は「天山ウイグル」と呼ばれる集団を形成した。さらに西方に移動した集団は天山北麓のトルコ系部族カルルクに吸収され、このカルルク部族連合を基盤として、カラハン朝が建国された。