ソンガイ帝国( A.D.1340〜A.D.1591)
黒人アフリカで最大の版図をもった帝国。支配部族の名をとってこのように呼ばれるが,首都ガオの名をとってガオ帝国とも呼ばれる。16世紀の最盛期には,ガオ(現マリ共和国領)のあるニジェール川大湾曲部東部地方を中心に,その勢力は,西アフリカ西端の現セネガル共和国の地域から,金の主要な産地だったニジェール川上流の山地地方(現ギニア共和国領)、岩塩の産地テガザ(現マリ共和国領)を含むサハラの一部,東はハウサ諸国(現ナイジェリア北部)にまで及んだ。
参考 世界大百科事典
ソンガイ帝国
イスラーム世界の形成と発展
インド・東南アジア・アフリカのイスラーム化
ムラービト朝の侵入以後、西アフリカではイスラーム化が進行し、つづいておこったマリ王国(1240〜1473)はイスラーム教を受容した。王国は14世紀初めに最盛期を迎える。国王マンサ・ムーサは、メッカ巡礼に際して大量の金を奉納し、「黄金の帝国マリ」の名を広めた。
15世紀後半、マリ王国を倒して建国したソンガイ王国(1464〜1591)は、ガオに都を定め、西アフリカの隊商都市の大部分を支配し、北アフリカとの交易によって栄えた。
国王アスキア・ムハンマド1世(1493〜1528)はイスラーム教を熱心に保護し、彼の統治下で交易都市トンブクトゥは内陸アフリカにおけるイスラーム文化の中心地として繁栄した。