クィントゥス・カエキリウス・メテッルス・ピウス・スキピオ・ナシカ
紀元前100年または紀元前98年頃-紀元前46年4月。共和政ローマ期の政治家。ローマ内戦では婿に当たるグナエウス・ポンペイウスを中心とした元老院派に属し、中心的な役割を果たす。
クィントゥス・カエキリウス・メテッルス・ピウス・スキピオ・ナシカ
政略結婚
メテッルス・スキピオはアエミリア・レピダとの娘コルネリアを政略結婚の材料として、最初はマルクス・リキニウス・クラッススの息子プブリウスへ嫁がせて、クラッススがカルラエの戦いで死去した後はグナエウス・ポンペイウスの5番目の妻として再婚させた。
ポンペイウスとコルネリアは30歳以上も年が離れていたが、仲は睦まじかったとされる。この間にも顕職の経験を積み、紀元前59年に護民官(コンスル:カエサル)、紀元前55年頃に法務官(コンスル:ポンペイウス)、紀元前52年にポンペイウスと共にコンスルとなった。
ローマ内戦
紀元前49年1月、ガイウス・ユリウス・カエサルが軍を率いてローマへ侵攻したことで、グナエウス・ポンペイウス及び元老院派とガイウス・ユリウス・カエサル派の間で起こった内戦が勃発し、メテッルス・スキピオは反カエサルの立場から元老院派に属して、任地であったシリア属州やアシア属州で戦争に備えて食糧や軍資金、兵士を調達したものの、過酷な徴発であったとされる。
ファルサルスの戦い
紀元前48年8月9日に、グナエウス・ポンペイウスらの元老院派とガイウス・ユリウス・カエサル率いるカエサル派の間で行われた戦い。ローマ内戦中の最大の激戦となった戦闘で、カエサル派が元老院派を破った結果、カエサルはローマの覇権確立へ大きく前進した。
メテッルス・スキピオは、一軍を率いて参戦したが敗北。同盟者のヌミディア王ユバ1世が勢力を持つ北アフリカのウティカへ逃亡し、同じ元老院派の小カトらと組んで再起を図ったものの、紀元前46年4月のタプススの戦いで再びカエサル派に敗北を喫した。ヒスパニアへ逃がれようとしたが、ヒッポレギウス(現:アンナバ)近郊で殺害された。
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ザ・ローマ帝国の興亡 第二話 シーザー
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ROMA [ローマ]
ROME[ローマ] 登場人物とあらすじ – 世界の歴史まっぷ